三十指のアジト
「まったく、ゴキブリ程度で人を呼びやがらないでほしいですね。」
そう言いつつも、アダラパダはご機嫌だった。
冷蔵庫で一時間以上並ばないと買えない超人気店のシュークリームが待っているのだ。
しかし…
「おう。」
ブライクブロイドが何やら食べていた。
「このシュークリームうめぇなあ。」
テーブルの上に放られている包み紙はその超人気店のものだった
「…………」
「どした?」
極 楽 連 鞭 !!!
「なっ、何だよ、イキナリ…(汗」
極楽連鞭に首を掴まれ慌てるブライクブロイド。その足は完全に浮いている。
「…いいえ、何でもありません。」
あっさりと連鞭を解除するとアダラパダはどこかへ去っていった。
「?」
「どうしたの?♪たの♪ブライクブロイド♪喧嘩?♪喧嘩♪」
現れた舞響大天が不思議がるブライクブロイドに話し掛ける。
「あら♪これってあれでしょ♪でしょ♪とっても待たなきゃ買えない♪えない♪シュークリーム♪」
「そうなのか?」
「?そうよ♪そうよ♪ところでどうして極楽連鞭なんかに♪なんかに♪かかってたの?♪たの♪あなたの力なら♪なら♪解除できたでしょ?♪でしょ♪」
「…うぜーから黙ってろ」
「ひどいわ♪どいわ♪」
メモリア郊外
アダラパダは魔法陣に参加する三十指に連絡を取っていた。
「えぇ。それではよろしく頼みましたよ。」
「よぉ!」
空からブライクブロイドが降りてきた。何やら袋をかついでいる。
「…あなたは待機中の予定でしょう?何しに来たんですか。」
「一緒にシュークリームを食おうと思ってな。」
かついでいた袋を広げると、中には大量のシュークリーム。
もちろんくだんの店のものではない。
「あのシュークリーム、お前のだったんだな。詫びっちゃあなんだが、食おうぜ?」
言うが早いかシュークリームの袋を開ける。
「別に、シュークリームは嫌いなんですよ。」
「うまいぜ?」
「…」
山と詰まれたシュークリーム。買ったのか、盗ったのかはわからないが…………
「そーゆーの、嫌いなんです。」
そう言いながら、山に手を伸ばした。
ブライクブロイドとアダラパダが仲いいといいな〜という望みから生まれた妄想。
嫌いとか言いつつしかりシーフード食ってるあたり、アダさんの言う「嫌い」には「本当に嫌い/取り繕い(煙草の件)」の他に「実は好き」という意味もあったらいいな〜なんて(笑)
原作が手元にないため二人の喋り方、漢字が不安で仕方ないです!(アダさんの"やがる"のタイミングがわからない!)
作中でもうざいと言われた舞響大天の喋り方は書いてる方もうざかった!
ところで"あまのじゃく"の俗語訳って"ツンデレ"じゃない?