「問題がおきた。」
星の使徒が集まる中、シキが発した言葉はこれだった。
「どうしたんだい?」
「クロノスに動きデモ?」
クリードとシャルデンが問い掛ける。
「いや、容器が無いのだ。」

容器というのはもちろん神気湯の容器である。
「それは‥困ったね。」
神気湯が増やせなければ道士も増やせない。
「えっ、あれ捨てちゃいましたよ?」
「俺も。何も聞いてなかったし。」
後ろでキョウコとリオンがひそひそやっている。
「容器の材料は今マロが調達しているが、作るには時間もかかる。だからしばらくは間に合わせでなんとかするしかない。」
「間に合ワセ‥」
「で、買ってきてほしいのだ。」
「買えるんですかぁ?」
神気湯の容器は陶器であった。
煮えたった薬を入れ蓋をし、常温で冷ます。

代わりになるものとは…

「えーと、あれだ。CだかEだかVだかが付く‥」
「栄養ドリンク…」
研究室にいっぱい転がってるじゃないか!!とドクターは心の中で叫んだ。

「資金提供者に用意させるのは融通がきかない‥至急要るのだ。」
というわけで星の使徒は急遽買い出しに出かけるのであった。


「セフィ姉、星の使徒の写真をゲットしたでヤンスよ!」
ジェノス経由で例のシャルデン・キョウコのツーショットがセフィリアへと渡る。
「撮影した奴の話だと、買い出しに出掛けたところらしいんですが、」
セフィリアの横に寄り、
「何を買っていったと思います?」
なぜか小声で言う。
「さあ‥?何ですか?」
さすがに見当がつかない。
「なんと栄養ドリンクを二ケース買っていったらしいんですよ。」
「栄養ドリンク‥」
「そんなもんが必要な連中には思えないんですけどね。」
「‥わかりました。ジェノス、撮影者にお礼はしましたか?」
「そりゃあもちろん!」
「ではミス.リンスレットに連絡を取ってください。」
「はい!」

ジェノスが消え、部屋にはセフィリアのみが残された。
栄養ドリンク‥そんなものの助けがいるほど頑張っているのかしら…こちらも気をひきしめなければ……
などとひそかに思ったなどと誰が知ろうか。










正義側より使徒側の方が書きやすい卯月です。
このネタをメモに書いた後に「星の残照」読んだんですが、やっぱり栄養ドリンク一本分の容量だったんですね。
この他にいくつかやろうとしたネタがあったのですが、別に栄養ドリンクネタでなくてもいいのでまたネタが浮かんだ時に…
作成日:2006.1.19
金籠収録:2009.07.26