before story

ガイアという女神がいた。
彼女は数々の巨神を生んだ。
彼らはティターンと名乗り、オリュンポス山とオリュントス山の間のミッドガルドに住んでいた。
しかし、神々の王となったクロノスは自分を頂点とした圧政を敷き、自身の子ゼウスを始めとした次世代の神々に反目される。

神々はオリュンポス山とオリュントス山脈に別れて戦争を行った。
ゼウスたちはオリュンポス山に布陣し、クロノスたちティターンと呼ばれる巨神族はオリュントス山脈をヨッツンハイム(巨人たちの城)と名づけ、布陣した。
ティターンたちは強大な力を持っていたが、ゼウスは賢神ミーミルを殺し、その首より情報を得、ティターンを滅亡させることに成功する。
この戦争は後にティタノマキアと呼ばれた。


ガイアはゼウスの味方をしていたが、戦争の目的がティターンからの解放の他、ゼウス自身が王となり、神々を支配することだと知った。
彼女がそれを知ったころにはその野望は実現しており、野望を知られたゼウスはガイアを追放する。
オリュントス山脈は荒れてはいたものの残っており、ガイアはそこに逃げ込むと力に長けた巨人ギガースを作りだした。
彼らはティターン戦争の勇者には倒せないという特徴を持っていたが、それはオリュンポスと融和した新天地の神々や新しく生まれた神々が活躍するための絶好の舞台となった。
それでも野蛮な巨人たちは神々を悩ませ、ついに神々はギガース達を殲滅するために山ごと吹き飛ばした。
この戦争は後にギガントマキアと呼ばれた。


一部の山を残してクレーターができ、近くの海からは海水が、火山からは溶岩が流れ込んだ。
死の大地と化したヨッツンハイムを目にしてガイアは恨みと怒りを募らせる。
それは魔力に長けた化け物として外に飛び出し、神に戦いを挑んだが敗北する。
ガイアは更に嘆き、荒野と化した台地で植樹を始めた。その際に知力に長けた新たな生命が生まれた。
それが悪魔である。
度重なる敗北のせいか、怒りが具現化して抜けたせいか、彼女は悪魔たちに戦うことを強要しなかった。
ガイアは悪魔達が神にみつからないように小さな森を作り、彼らを残して植樹の旅に出た。

年月が流れ、帰ってきた彼女が見たのは、悪魔たちの作った町であった。悪魔たちは母の帰りを待っていた。
ガイアは悪魔たちの統率者として自身の分身となる悪魔を生みだし、眠りについた。
悪魔たちの王になるには彼女は疲れ果てていたのだ。
ガイアが最後に生んだ悪魔はサタン<反逆者>と名乗り、王となった。
悪魔たちがクレーター跡地に作った街の名はビターバレイ。
先の巨人たちの辛酸を忘れないためにつけられた名である。
その都市を中心に悪魔たちの国が発展していくのだった。








設定…しかも主要よりも周辺設定をかっちり作るのが好きでして…
これ、もう二次というか三次創作な気がします。
魔界が魔界になる前の「始まり」の話になります。
敵が「ゼウス」なのでギリシャ神話を軸にして、いろいろ脚色したりミックスしたりしてます。
卯月の二次創作はこういった設定の上に乗ってます。というだけの話。
覚えていなくても問題はないので、「おまけ」程度に思っていただければいいです。

D.C.10(2008).12.20
まったくの余談ですが、日付を書いた後にパソの時計を見ましたら12:20でした。
なんたる偶然……