魔界文化局。

「理事長、どうしたんですか?その子。もしかしてゆうか…」
「違うわよ。こないだ悪魔の森で発見したの。森の魔力から生み出されたのよ。」
「風貌はデーモン一族のようですが…」
「たまたまデーモン一族の魔力が流れてたまってたんじゃない?」
「はぁ…」

子供好きとの噂のない理事長が子供を連れてきたため、部下は不思議に思い尋ねた。
なるほど。森で産まれたなどという珍しい悪魔を彼女が拾わないはずはない。

「魔力から産まれただけあって、凄まじい力を感じない?文化局でいろいろ教えようと思うの。」

確かに。上手く教育すればよい魔導師になりそうだ。
将来、文化局員として使えるかもしれない。

「賛同いたします。」
「よい作品になりそうよ。」

部下の微笑みを受け、理事長も屈託のない笑みを浮かべる。
創作意欲に満ち溢れる瞳は輝いていた。

彼女は研究の結果産み出された物をすべて「作品」と呼ぶ。
それは実験マウスの成れの果てであろうが、怪しい薬であろうが同じである。
この場合、彼は弟子に位置づけられるのだろうが、彼女にとっては同じことなのだろう。


「名前は付けたのですか?」
「えぇ。ゼノン。”未知”を表す言葉よ。」








Xenon_Birthのおまけです。
オエビに書いたやつなので絵も一緒に掲載。
二ページ構成にするには短い&話繋がらないので「おまけ」という形で。
あいかわらず魔女様のイメージが微妙です。
肌が青いのはもう決定事項。

made:D.C.9(2007)/3/1