楽屋に戻るなり、清水さんは椅子を抱えるように座り込み、激しく咳き込んだ
しばらく背をさすっていると、かすれた声で大丈夫と言われた
こうなったのはつい2、3年前からだ
今年に入ってからは更にひどくなっている
清水さんが倒れたという報せを聞き、向かった病院で事実を告げられた
彼の体は病魔に冒され、長くはもたないらしい
冗談だと思った
彼は悪魔だからだ
だけど彼の肉体は人間のもので、魔力を使ってもダメ…むしろ逆効果らしい
それでも音楽をやりたい
最期までface to aceでいたい
と清水さんは言った
その真剣な眼差しに押されて、俺は首を縦に降った
それからライブの数が増えた
本来ライブを演らないところでもライブをした
彼1人でギターを抱えて出ていくようにもなった
アンコールの声に応え、ステージへと戻る
不思議なことにステージの上に立つと彼の蒼白だった顔に血色が、かすれた声に張りが戻る
彼は一音、一音を丁寧に奏でていく
音楽への思いが伝わるように
この時を覚えていてもらえるように
だけどそこに物悲しさは無かった
この時間が夢のように楽しくて
この時間が永遠に続く気がして
そう思わせるこの人は、
この人の強さは
やっぱり悪魔なんだなぁと思う
遊廓妄想がLやJメイン(この傾向はまだしばらく続くと思います)、レクイエムもL戦が終わって、死にネタから離れてAネタを書こうと思ってたのに……
いや、ライブしまくりな上に単独犯までやりだしたからにーさん実は生き急いでる?と邪推…というか妄想しまして(笑)
それを考えとして文章にすると妄想とはいえリアリティーが漂ってきたので小説…というかげっちの独白化
もちろん彼は元気だと思ってますよ
しかし題名がやっぱり微妙な上に締め方も微妙だと思ふ(;^_^Aウームムム
こっ、今度こそ明るい話を…!
D.C.11(2009).08.01:オエビからの収録