その猫は俺を見てけらけらと笑った。

つられて俺も笑う。
数秒、笑い声だけが辺りに響いた。

風が吹いた。
俺の首が、滑るように落ちた。







「…何がおかしいんだよ。」
薙いだのは猫の爪。


不機嫌を湛えた瞳で、睨みながら俺の頭を蹴り飛ばした。
視界がバウンドし、ぐるぐるとまわる。


「つまんねぇ。」
タバコをふかしながら猫はどこかへと去っていった。


俺はただ砂に還っていく。





たま〜に(?)こういうの作りたくなるんよね。

D.C.10(2008).8.2:オエビからの収録