「お客さ〜ん、着きましたよ〜。」
「ん、ありがと〜。」
「ありがとね〜。」
タクシーの運転手に代金とチップを手渡し、ルークは車を降りた。
その後に足取り危うくエースが続く。
「あ〜、しっかりしてよ、もう。」
放っておけばその場に座り込んでしまいそうなエースの肩を支え、ルークは自宅へと進んだ。
有名繁華街で二人は飲んでいたのだが、話が弾むにつれエースの酒の量も増え、ルークが気付いたころにはほぼ泥酔状態になっていた。
初めはエースを送る予定だったが、手間と金の都合で近場であるヒバリーヒルズ、ルークの自宅へとタクシーを走らせた。
エースの肩を支え、自室へと運ぶ。
「ん…あーーーーーー。」
部屋に入るなりエースはルークのベッドに転がり込み、身体を丸めた。
「あーあ………。」
ルークはエースを呆れて眺めていた。起きているのか眠っているのかはわからない。
「情報局の長官とあろう方がこんなに無防備でいーのかねぇ。」
ベッドに腰掛け、エースを覗き込む。
平和な表情は彼が夢の中にいることを表している。
「ったく、いい気なもんだ……」
しかし、無防備なところを見せられるとつい、ちょっかいを出してみたくなるものである。
「…少しくらいなら、気付かれないかな?」
ニヤリと笑うその顔には、好奇心と咎めへの懸念が垣間見えた。
おそるおそる白い頬に唇を落とす。
理性を保てなくなることを怖れて唇はわざと避けた。
エースは起きるどころか身じろぎすらしない。
「………」
もう少しやっても大丈夫かな?
ふと、魔が差した。
エースを転がし、仰向けにさせる。
その上にまたがり、元々軽く開いていた軍服をさらに開く。
再び頬に口付ける。
先程接した場所のすぐ下。
唇は序々に降りていき、顎、首筋へと降り立つ。
ルークもやはり酔っていた
首、鎖骨と降りていく。
開かれた胸の突起がルークの視界に入る。
迷うことなく口付けた。
「」
エースが強く息を吐く。
それを聞いて、ルークは我に返った。
とんでもないことをしたような気がして慌ててエースの胸元を閉め、元の場所に腰掛ける。
どうやらエースは起きてはいないようだ。
「何してんだろ、俺。」
黒の巻き毛を指に絡ませて、ルークはひとりごちた。
fin
後書という名の言い訳
言い訳…という程でもないですが…
とうとうやってしまったよ…
とりあえず前提としてルーク→エースです。
一応二人ともノンケ設定(笑)
今回は酔った勢いですが、恋愛に発展するのはいつのことやら。