戦争ネタ


オエビで一時期狂ったように書いてた戦争ネタ。
とっておいてもハードディスクの肥やしになるだけなのでとりあえず晒してみることに。
書いた順で並べた&話が途切れ途切れなのでわかりづらいと思います。








天使の最新兵器だろうか、鏡のようなそれに周りのマナが吸われていく。
その量から推測するにけして弱くはない攻撃が放たれることだろう。
それが来るのは数分後か、数秒後か。
しかし敵の展開する弾幕を捌くことが精一杯であった。
鏡はこちらを向いている。
狙われているのは俺。
「俺から離れろっっ!!」
部下に命令を飛ばす。
彼らも弾幕を捌くことで精一杯なのはわかっていた。
それでも、鏡の射程外であることを願って叫んだ。


「エース!」
なぜ 俺に近づく?
「巻き込まれるぞ!?」
「エースは死んじゃダメだ」
そう言い、あいつは俺を押した。 ものすごい力で、だけど優しく。
同時にあいつが放った雷撃が俺の周りの弾幕をかき消す。

それだけの力を使ったら、次々と繰り出される弾幕に対処できるとは言いがたい。

まさか 


「俺の代わりはいるけど、エースのかわりはいないかんね。」
ライデンが笑った。


瞬間、白い光が空気を割いた。
ライデンはその光に飲み込まれ、消えた。

空(くう)を眼にした途端、いや、白い光がライデンを消した瞬間から、周りの音が消えた。

途切れることのない弾幕の中、言い様のない感情に蝕まれた。
頬を何かが伝う。額の眼が開く。
戦闘中であることも忘れ、俺は望んだ。


「時よ 戻れ」




あの鏡からはきっととんでもねぇ強い攻撃が来るはずだ。
くらったら誰だって死んじゃうんじゃないの?
だけど、、俺はエースを護るっっ!!
と覚悟をして、飛び出した。
鏡の射程外にエースを押し出した。
敵の攻撃を喰らわないように最大力の電力バリア付きで。
エースの驚いた顔が印象的だった。
こんな顔、一生忘れねぇや。



攻撃がこない。
同時に轟音が響く。
「な、何!?」
鏡が煙を噴いていた。
不発弾?いや暴発??
切り札の鏡が壊れたからか、とにかく敵は退散していった。
ラッキー☆
「よかったー」とエースを見る。


エースは倒れていた。
あ………れ? どーゆーこと??





「時を戻したんだよ、あいつが。」
ひげのおっさんはそう言った。
時を戻す??エースってそんなすごいことができんの?
「同じことがあった。大昔だがな。」





黒十字病院VIP集中治療室前。
数時間前、エースはここに運び込まれていった。
俺は、ずっとここでエースを待っている。
どうかしちまったのかと思うくらい、長い時間を同じ姿勢で椅子に座って、待っている。
「皇太子。」
聞き覚えのある声。
見上げればエースの師匠。
「離れたくねぇって駄々こねて、ここで治療させたらしいじゃねぇか。お前馬鹿だろ。」
「…うん。」
「…素直にうなづくなよ 気持ち悪ぃ。」
悪態をつきながら、エースの師匠、ひげのおっさんは俺の隣に座った。

いつもなら早くどっか行けとか思うけれど、エースが心配で特に気にしなかった。


「エースを護るために飛び出したのに、俺が押したせいで怪我したのかな…。」
きっとそうだ。
電撃で消せなかった攻撃が当たってしまったんだ。
「ちげーよ。」
ひげのおっさんがポツリと言った。
「なんで!?だって俺がなにかしなくとも、鏡が暴発して敵は帰っていったんだよ!!??」
「いや、お前が行かなきゃ鏡は壊れなかった。」
「どーゆーこと?」
「時を戻したんだよ、あいつが。」



その日の護衛は少人数だった。
とは言え腕利きの護衛を数名と、弟子であるエースを連れて行った。
よくあるいつもの視察。
ただ、そこに暗殺者が紛れ込んでいた。

情報局長官は不覚にもその凶刃に倒れてしまったのだ。
護衛はエースに長官を任せ、犯人を追い、捉えた。
戻ってくると、そこで待っていたのは横たわるエースと、彼を抱きかかえた長官であった。
護衛は首をかしげた。


倒れたとき、長官にはまだ意識があった。
エースがなんとか回復を試みるも、同属とはいえ回復にむかない「炎」の属性のためたいして効果はなかった。
長官はもう駄目だと感じ、目を閉じた。
いや、まぶたは自然に下りてしまったのだ。

一瞬にして景色が変わった。
眼を閉じていて変わったというのはおかしいが、自分は目を開けていた。
おかしいところはまだあった。
横たわっていたと覚えているが、自分は立っていた。しかも、一歩を踏み出そうとしているところだった。

どういうこっちゃと疑問に思いながらエースを振り返ると、彼は倒れていた。


それからエースはしばらく目を覚まさなかった。
検査の結果、原因は急激な魔力消費であろうということ、またその魔力に体が耐え切れなかったのではないかとのことだった。

強力な回復魔法でも使ったのか??
と考えたがそれでは自分がなぜ立っていたかの答えにはならない。
なぜ自分は歩き出そうと……
歩き出そうとしていたのではなく、歩いている途中だったのでは??
足を踏み出す瞬間、暗殺者の魔法が俺を貫いたはずだ。


まさか、俺の「時」を巻き戻した????
そんなわけ無いと思いつつも、そういうことじゃないのかというあやふやな確信が心のなかに生まれた。




昔の事件がきっかけで、あいつは全力で戦うことを怖れている。
だけど、あんたを護るためには無理をも厭わない。
これがどーいう意味だかわかるよな?

ひげのおっさんは俺に向かってそう言った。
いつも冗談めいたことしか言わないのに、
言葉も眼も真剣そのものだった。


俺にはいくらでも代わりはいる。
でも彼には代わりはいない。
だから死んでも護りたかった。
それが間違っていたんだ。
確かに次期雷帝の代わりはたくさんいる。
でも、彼にとっての愛方は俺一人なんだ。
今更気付いた。今更解かった。


ごめん、鈍くて。





犬猿の仲
不倶戴天の敵
とは言うものの、天界と魔界の間に大規模な戦争が起きたことは数えるほどしかない。
お互いに忌み嫌い、憎みあっているのに均衡が保たれているのは、お互いの力が強大かつ、五分であるからだ。
一軍だけでもぶつかりあえば大規模な損失が生じる。

よって二つの世界の戦いは個人による戦闘、もしくは小競り合いによって続けられてきた。


しかし、ひとつの事件が起きる。
魔界軍で飼われていた猿が一匹逃げ出した。
その猿は千里を走り、魔界の近くに密かに駐屯していた天使の一団の中に逃げ込んだ。

物資を荒らされた天使たちは激怒し、猿を探していた兵士たちを焼き払った。


ここから報復戦が始まった。

自身の消耗を避けるために今まで抑えていた戦闘意志が解放されたため、両者とも手加減はなかった。


戦争がどのような結末を運ぶのか、知るものはいなかった。





天使軍のOO隊を撃破、将軍を撃破。
魔界軍TJ隊敗北、大佐が重体の危機。
次々と情報が入ってくる。
今ではどちらが優勢なのか、わからない。

本部に残されたルークの心は不安で一杯だった。
フレイと戦ったデーモンは相打ちとなり、首だけで何とか生きている。
エースは時間を戻したとかで、深い眠りについた。
ゼノンは各所にちりばめた魔法陣の維持に魔力の大半を費やしている。
ライデンは、王位を投げ出してまでこの戦争の参加してくれた。
ジェイルは俺を逃がすために………






俺は何をしているんだろう。
どうして俺だけ何も失っていないんだろう。


独り、無力感に落ち込んでいた。





天界軍がちゃくちゃくと進軍してゆく。


それを迎え撃とうと魔界軍も歩を進める。

天界軍がざわめく。
将の座に着いているのは、悪魔ではないライデンだったからだ。




雷の申し子は外見に反して戦局を操ることが得意だった。
敵の心理を読み取り、軍を動かす。


ひとつ、ひとつと隊が撃破されていく。


だけどライデンはけして勝利に酔わなかった。

何柱殺せばエースが目覚める?
たくさん殺せば目覚めるに違いない。


根拠のない論理から根拠の無い自信が産まれ、根拠の無い目標を勝手に定めて、それが達成されないことに困惑していた。




どれだけ小隊を潰しても、エースが目覚める気配はない。

それってまさか。
もしかして。
うん、そうだ。
そうだよね。



殺さなきゃ、俺の手で。


ライデンは武器を手にすると、戦闘の中心へと飛び出していった。





どうして俺だけ傷つかない?
参謀として作戦を提示しながらも、軍曹として小隊を率いる。

指揮する立場にいながら、みずからが先陣を切る。


その戦い方はしなやかで美しいが、どこか追い詰められているようであった。





勝利は当然望んでいる。
だけど、傷つかない自分への罰をもまた望んでいた。





「お前の方が速い。早く行け。」
ジェイルは笑った。
笑って俺の胸を押した。


「絶対追い付くから。」

「…絶対だかんね。」
そう絞りだすのがやっとだった。
絶対なんてあり得ない。だけど声にすることで絶対に近付く気がして。

俺は全速力で翔んだ。
森の中。ジェイルの力で木々が俺を避けていく。




避けろと命令したのではない。
魔力で無理矢理避けさせている。
同時に追ってくる天使たちの撹乱も行う。
逃げても追い付かれることは必至だった。
ルークは確実に逃がさなければ。
だったら撹乱に専念を。




大丈夫。ジェイルは絶対に帰ってくる。
絶対に帰ってくる。
絶対に。
絶対に。
絶対に…
なぜか頬が濡れていた。




天使の一団にむかって猫は笑った。
「捕まえてみろよ。俺は手強いぜ。」


ルークが森を抜けるまで、道は確保しなくては。
ルークは速い。
もうすぐ抜ける。


不得手な魔力操作を行いながら猫は逃げる。
ルークが森を抜けた。
遠方へ気持ちが飛ぶ。


ほんの一瞬。
その一瞬の隙を天使は見逃さなかった。
だが刃は猫の体をとらえられず、かするだけ。



だがそれだけで十分だった。




傷が膿んでいく。
変な色の液体が流れている。

植物の属性、職は拷問官。
多少なりとも毒には強いはずだった。

ルークが森を抜けたとはいえ、60度違う方向へ逃げる。

なるべく足場の悪い方へ。



張り出した木の根を飛び越えた     つもりだった。
足を取られ、顔から地面に突っ込む。


立とうにも体が言うことを聞かない。
熱い。
目眩がする。
吐きそうだ。

視界に何か降りてきた。
一枚の白い羽根。



追い付かれた。





おまえが憎い

ルークは渾身の力を、否、自身のすべてをこめて風の刃となった





目覚めたエースのもとに一羽の銀の鳥が飛び込んできた
エースの胸に降り立つ直前、ライデンに変わり、腕の中へと収まった

エースを見上げて変わらぬ笑みをこぼし
「おはよう」
と告げるとその姿は薄くなって消えた



まもなくしてライデン率いる中隊の全滅の知らせが届いた





そこは地獄であった

地獄だが、地獄ではなかった


裁くものがいない
管理するものがいない

罪人は自らの過ちの結果によって苦しめられている



名も知らぬ天使の姿があった
数本の剣に体を貫かれ、地面に這いつくばっていた
あぁして死んだのだろう


ゾッドの姿があった
輪切りに分割された自らの手を眺めていた
ルークに気付くとすまなさそうな顔をした
ルークは首を振った
ゾッドは地獄を守ったんだ
気にしなくていいよ


ルークよりもしばらく前に来ていたライデンとエースの姿があった
お互い雷と炎の化身となり、お互いを焦がしていたが構うことなく寄り添っていた




呻き声が聞こえた




暗がりにジェイルがうずくまっていた

左腕を気持ちの悪い色の液体に染め、血と蛆の混じった同じ色の液体を吐いてはむせていた

「ジェイル」
呼び掛ける
ジェイルはルークの方へ顔を上げ口を開いたが口からは気持ちの悪い色の液体が溢れ、言葉にはならなかった


ルークはジェイルを抱きすくめた
乾燥して皮の張りついた頬へ自らの頬をすり寄せる

言いたいことはわかってる
言わなくていいよ
俺も会いたかった


気持ちの悪い色に染まった唇に口付ける
胃液の味
血の味
毒の味

蛆に構わず深く口付ける
何度も
何度も



ジェイルの眼孔から涙が流れていた
目を閉じ、俺に体を預けてくれる





ずっとひとりにさせてごめん
今度はずっと一緒だよ
花園の色となって永遠に一緒にいよう



ジェイルを蝕む蛆がルークの体をも蝕んでいく
それでもルークは離れることはなかった
ジェイルを守るように強く抱き締めた





↑のを書いたあとに描いたもの







消えていく
俺を置いて仲魔がひとり

またひとり


護ろうとあがいてもまるで風のよう

俺の気持ちが吹き抜けていく



どうして?
どうして護れない?





もう誰も失いたくない
その思って必死に采配をふるった

最良の策を出しても
兵士が死んでいく


自分が前線に出ても
俺をかばって誰かが死んでいく

生き延びて
生き延びて
護ろうと必死になって



ふと振り返ったら
一番護りたい仲魔はほとんど残っていなかった





*
*




★最殺部隊★




グロくても平気なら、どうぞ。




原因は皆目わからない。
救う方法もわからない。
ただ殺すことのみが解決策だった。
前線の兵士たちも辛かろう。

潰されまいと、冷酷な命令を、つとめて平静を装って、叫んだ。




  歩いてくる死者たちは異様だった。
無表情のやつもいればとまどっているようなやつもいる。
中には笑うやつもいる。

前線の動きが鈍い。
当たり前だ。死者とはいえ、こないだまで一緒に戦っていたものまでいる。

中には恋悪魔が群れのなかにいるやつだっているかもしれない。



      一人の死者と目が合った。眼球は無かったが、確かに合った。合わないはずがなかった。
死者は笑った。
顔つきは変わってしまったが、いつものように笑った。
恋悪魔が群れのなか…俺のことか。
死者が蘇生したと聞いて真っ先に浮かんだ、大切だった愛方が、あの群れのなかにいた。



グロ注意!!






























「ねぇ、俺のことまだ好き?」
















「こんなになっちゃったけど、抱いてくれる?」
なぜ目が覚めたのがはわからない。
目が覚めていちばん最初に浮かんだのは愛方の顔だった。



…会いてぇなぁ…

すでに体は動いていた。
おぼつかない足取りで、愛方の魔力を頼りに歩いていった。




きっとみんなそうなんだ。
大好きなやつに会うために、ただそれだけのために歩いたんだ。
↑たぶん一番最初のネタ
発端は、後輩がカラオケで再殺部隊を歌ったことです。
なぜかLJ像がふっと浮かんで、それをモチーフ(?)に描いてみたことから始まります。
Jさんは当初意図していたものよりかなりグロいできになってしまい、ちょっと自分でも直視にたえかねます…
内心では信者の方と本悪魔様に平謝りしてます

ルークさんは参謀だからホントは前線に出ちゃいけないのに、行っちゃうんだよ。
恋人を自らの手で葬るために。
自らの腕で抱きしめるために!!!

と妄想は適度においといて、最初は関係の無かったのですが戦争ネタに組み込んでしまいました。





まだ頭の中に話が残っているので、そのうち上の分も含めて練り直そうかと思います。
こちらも神と闘うので、今やるとレクイエムと混同しそうですし、レクイエムよりも考えなきゃいけませんし。





D.C.11(2008).3.1:オエビからの収録