遊廓妄想〜謳い文句〜


魔界の一大繁華街
そこに店を構える有名遊廓

「今日のショーは芸妓による器楽六重奏!冥土の土産に見ていってはどうだ!?」
店の前で煌びやかな重ねを着た遊魔が呼び込みをしている

なじみの客には手を振り、彼の美しさに魅せられカメラを向けるものには満面の笑みを返す
彼が呼び込みを行わずともショーは常に大盛況であるが、これが楽しくて自主的にやっているのだとか

健全な内容のショーを催してはいるが、ここはれっきとした遊廓
中では何百人もの悪魔が艶に磨きをかけて待っている

番台の胡散臭い男に受付を済ませばより取り見取り
金が許すかぎり遊魔を楽しめる

誰を呼ぶか迷っていれば
「俺と遊ばない?」と遊魔の方から寄ってくる

下位の遊魔でもそこらの者とは芸も色も比べものにならない
安いと思って手を出せば、おけらにされることもある

中で騒ぎを起こそうものなら、腕自慢の用心棒が目の色変えて飛んでくる

奉公人につまみ出され、「なんてこった」と空を見上げれば、上の部屋から遊魔が笑う


なぜか気持ちは晴れやかに
空の酒瓢箪を担いで月をお供に帰りゆく



極上の芸と色が味わえると評判の花街一の大遊廓

新聞記者は今日も書く
芸と色が花の街
喧嘩さえ華の「悪魔の穴」











遊郭「悪魔の穴」の情景(?)を書きました
頭の中で構成員をこっそりイメージしてます。

D.C.10(2008).10.20