遊廓妄想〜お外〜
Staff Onlyを真っ直ぐ抜け、庭に出た
「偉いさんが主な客層だから。外で宴会するときもあるんだっ」
自慢気にジェイルが言う
大奥と呼ばれた場所の向かいには塀にそって半円状に木が植えてある
現在葉が生い茂っているそこは、季節によって様々な顔を見せるのだろう
ふたりは扉から出て話しながら左へと向かう
その先には見世物小屋の尻と一つの建物があった
倉庫を細長くしたような建物で、その後ろには見世物小屋が立っているため遊郭の外からはまったく見えないようになっていた
その建物については何も言わず、その横の扉の前でジェイルは立ち止まった
「ここが裏口。商人とかお忍びの偉いさんとかがここから入ってくる」
向かって扉の右側は部屋になっており、格子がはめられている
塀添いの植樹はそこから少し離れたところから始まっている
横から見て初めて解ったのだが、どの木も塀側の枝は切り落とされていた
「逃亡防止のためさ」
ルークの考えたことに気付いたのか、ジェイルがにやっと笑った
「そしてそこが」
謎の建物を指差す
「そうした奴らをお仕置きするところ」
「お仕置き…」
「入り口はこっち」
ジェイルは塀と建物の間にルークを引っ張り込んだ
石造りの建物に似付かわしく扉は鉄で造られている
「お仕置き以外にも使い道があんだけどね」
「何ですか?」
「ここでヤっても向こうから見えない」
「…え?」
もっと実用的な答えを予想していたためにとまどう
「もしかして、そーゆーことしたこと無い?」
「ぅえっ!?」
ジェイルが迫ってくる
「ちっ、違います!」
否定しながら後退りをするが、後ろは塀のためあっさりとジェイルに絡め取られてしまう
「ここで働くって言う奴はたいがい遊魔目当てでさ。こっちはそれでも構わないんだけど、病気流行らすのだけはほんと勘弁だから。確認は必要でしょ?」
そう言いながらルークの着物の裾を捲り上げ、しゃがみこんで彼の下着をズリ下げる
ルークはというと、これから自分はどうなるのだろうかという不安だか恐怖だかに固まっていた
性器を正面から見られたうえに、
「あっは。かわいー」
とジェイルに言われ、恥ずかしくて顔を上に背けた
「ホントーに初めてじゃないの?どっちにしろあんまり使ってないでしょ?」
皆そう言う…と思っていながらも
「…違います…」
と弱々しく言うのがルークの精一杯であった
ルークの竿をジェイルが触っていく
ルークはその間中、性病検査性病検査性病検査性病検査性病検査………と頭いっぱいに自分に言い聞かせ、勃たないように苦心していたが急に触られている感覚が変わり、その快感に全身がびくりと反応した
驚いて下を見ると、ジェイルと目が合った
ジェイルの目的はもちろん性病検査ではない
しているにはしているが、そんなものはついでである
だいたい検査だけならここでやる必要はない
誰よりも先に新入りに手を出すのが彼の目的であった
上を向き、体をこわばらせているルークを見上げ、彼は再び内心でだが「かわいー」と笑った
彼が見てないのをいいことに、それでも固くなりつつあるルークのそれを口に含んだ
ルークの全身がびくりと反応し、彼が見下ろす
目が合った
「ち、ちょっとやめてください!」
ルークは慌てるが、体は固まってしまっている
抵抗しないのをいいことに、ジェイルは口を離さず「やだ」の一言で片付け、行為を続ける
巧みな舌使いにルークの息も上がっていき、時折それに甘い吐息が交じりだした
しばらくはルーク自身を口に含み舌で刺激を与えていたが、それが勃ちあがると一旦口を離し裏側を横から舐め上げる
「っあ…」
快感にルークの声が上がる
「もっと素直になっていいよ」
ジェイルは優しくそう言うと再びルークのそれを舐めはじめた
ルークの頭の中は完全に混乱し、「拒絶」という思考は溶けてなくなってしまった
舐めていたルークのソレを再び口に含み、ゆっくりと吸い上げる
「ふぁっ、あ、あぁ…」
甘い声をこぼしながらルークの手がジェイルの髪を掴む
顔を上に向け、喘ぎながらもなんとか酸素を取り入れようと息を荒げる一方で、口内の彼自身を奥へ入れることで更なる快感を得ようと無意識にジェイルの頭を股間に押しつけた
急に押しつけられたことに少し驚いたが、ジェイルはそれを「良し」と取ると、奉仕を再開した
妙技に引き込まれ、ルークは自分の状態ですら見失っていた
目を閉じることで外界の情報をシャットアウトし、快楽だけを受け取る
陰とはいえ外であること、聞こえてくる水音、外界の空気、自分の声ですら、ルークの脳には届いていなかった
絶頂を迎え、何も考えずにジェイルの口内に精を吐き出した
抵抗なくそれが飲み込まれるのを見て、ルークは我に帰った
「あっ、あー…ゴメンナサイ」
謝る。
しかし本来はルークが被害者と言われる立場である
「いーのいーの、俺が誘ったんだし」
ジェイルは立ち上がり、濡れた顎を手でぬぐう
「……おかげで俺は持ち場に着けなかったんだがな」
低い声が割り込み、ルークは心が飛び上がった
二名から少し離れたところに恐面の悪魔が立っていた
動きやすそうな服に短い丈の法被
後ろには大きな尻尾が覗いている
「ごめんなさい!」
ルークジェイルに言ったものよりも威勢のいい謝罪の言葉を発し、きをつけの姿勢で固まった
男が近づいてくる
しかし強面の男が顔をしかめているのは、ルークにではなくジェイルにだった
「お前、またか!バイトでも社員でも新人が入ってくるたびに手ぇ出しやがって!!」
男の言葉は地が震えそうなくらい恐ろしげだったが、ジェイルはべーっと白い液がいまだ絡みついている舌を出すだけだった
「10日間飯抜きだな」
「10日間なんてやりすぎじゃないですか!?」
男の判決にルークが抗議する
「逃げられなかったわけでもないし、結局俺も楽しんでたので彼が全部悪いわけじゃないです!」
男は目を丸くしてルークの言葉を聞いていた
ルークが言い終わると、ちょっと間抜けに見えるその表情のまま口を開いた。
「…お前いいやつだな。」
「はい?」
「悪魔のくせに優しすぎるって言われるだろ。」
「え?あ…たまに……」
「ルーク、だっけ?デーモンから聞いた。優しいのはいいが、あまり優しいとこいつみたいなのに付け込まれるぜ?気ぃつけな。」
ジェイルを顎で指すとゾッドは扉横の壁へと向かった。
「そうだ」とルークを振り返り、
「俺はゾッド。覚えとけよ」
と言って壁を押した
忍者屋敷ばりに壁はぐるんと回転し、ゾッドはその奥へと入っていった
見張りの詰め所にはそうやって入るらしい
「それとなー!」
まだ何か言い忘れたらしく、格子から顔をのぞかせ、ゾッドが言う
「そいつはいくら飯抜きにしたって、誰か捕まえておごってもらうからあまり意味ねーんだ」
それを聞き、ルークがジェイルを見やると
「ご馳走様」
と笑われた
こ憎たらしい表情には間違いないのに、ルークは自身の白い面の奥が熱くなるのを感じた
その時、「ナカで面白い獣飼ってんじゃん」とジェイルが内心舌なめずりをしていたのことは知る由もなかった
書くのにも修正にもめっちゃ時間かかったよ!
引き出し無いのにエロ書くんじゃなかった!Σ( ̄□ ̄;)
あ〜、しんどかった
最後の「ナカで面白い獣〜」は経験も乏しそうだし受け受けしいけど、攻め気質が隠れてるってのを感じ取ったとかなんとか……あぁ表現不足orz
D.C.10(2008).10.20