遊郭妄想〜酒〜


バイトの仕事は主に掃除・洗濯
ルークの割り当ては現在掃除であるが遊廓内は広く、掃除が終わる昼にはヘトヘトになって帰る毎日であった


「ルーク、今日飲んでかない?」
ある日ライデンがそう言った
彼もまたバイトである

「お金無いんだけど…」
「タダだからだいじょぶだいじょぶ♪」
スタッフオンリー内の階段を上がり、最上階に着いた
ライデンが一室の襖をちょこっと開け中の様子を見る
中に向かって笑って手を振ると、次にルークを手招きする

「友達連れてきたっ!」
とライデンが笑顔で入っていったその部屋には窓際で煙管をふかすエースの姿があった

「友達?」
「うん。ルーク」
エースがルークを見やる
顔は覚えているらしく
「あぁ。新しく入ったやつか」
と笑いかけた
「うん。ルーク、おいでよ」
「うっ、うん」
敷居側で立ち止まっていたが、ライデンに手招かれ二名の近くにストンと座った

しばらく世間話をした後、唐突にライデンが
「酒飲まない?」
と切り出した
「目当てはそれか」
とエースが苦笑する
「ルークの歓迎会ってことで」
「仕方ねーな」
エースは卓の横にある上下に別れた棚の、下部分を開けた
そこには何本かの酒の容器が入っていた
一番前にあるボトルを取り出し、上部分を開けてコップを取り出す
「「悪魔の焼印」って銘だ。舌が弱いと火傷するかもな」
3つのコップに、一杯目からなみなみとつぎ、揃って手に持った

「じゃ行くぞ」とエースがいい、ルークが「うん」と頷く
ライデンもいまかいまかと待ちわびている


「乾杯!」
気持ちのよい音が部屋内で弾けた




数刻後…
「清水さん!あれほど酔い潰さないでくださいって言ったのに!」
「飲む量は自分で調整するもんだろ?」
「「うー、頭いたい……気持ち悪い……」」
怒るデーモンと笑って怒られるエース、そして宵の口にして泥酔したルークとライデンの姿があった………










泥酔二名、ほろ酔い一名、怒る一名。
このオチが書きたかったがためのネタ。
絵描きたいかも。

D.C.10(2008).10.31