遊廓妄想〜コロ助〜


デーモンに口頭で予約を告げると男は店の中へと入ってきた
男の注文とデーモンの手腕によってジェイルは飾り立てられていく

帯の上から滅多に付けない飾り紐まで巻き、前髪を分けられて繊細な造りの髪飾りが止められる
さらには肌を綺麗にさせるために粉まではたかれた

「まじべっぴんやん」
男が目を見張る
本音100%に聞こえる感嘆の言葉に、さすがのジェイルも口元のゆるみをなんとか抑えようとする
男は不意にジェイルを抱き上げた

「おっ、おい!」
慣れない扱いにジェイルは戸惑うが
「あんた軽いなー、可愛ぇわぁ〜」
と笑顔で流される
上がった口元はやはり左だけが高く、相変わらず違和感を覚えるが、優しく扱われて悪い気はしなかった


階段を上がってすぐの小さい部屋に入る
余計な物の無い簡素な部屋だが、ご丁寧にも一組の布団が真ん中に敷いてあった

男はその上にジェイルをおろす
ジェイルに向かい合う形で彼も布団の上に座った

「そーいえば名前聞いてへんわ。何ていうん?」
「やっとかよ。俺はジェイル」
「かっこえぇ〜」
「で、あんたは?」
鼻で笑ってジェイルは言う
「あぁ、せやなぁ……コロ助って呼んで?」
「コロ助!?ははっ、笑える」
「最高やろ?」
にいっと男が笑う
また口の左端だけが上がる
「ほな、遊ぼうか」










続きはご想像で(笑)

D.C.12(2010).2.14